ストーリー

Story
Vol. 8
想定外が重なって、気づけば多世帯の家づくりに。親身な提案と予算が生きるプランで、必然のかたちになりました。
札幌市・T様邸
木の家を探して見つけた
工務店という選択肢

 「30歳になったら家を建てよう」と、若い頃から決めていたTさん。士別市で生まれ育ったご夫妻は「自然豊かな地域で暮らしたい」と考えていました。Tさんは自転車が趣味で、休日になると西野周辺を愛車で走りながら「住むならこの辺りがいいな」と、漠然と思っていたといいます。しかし、なかなか良い条件の土地が見つかりません。諦めて、別の場所での土地購入を心に決めた朝でした。「たまたま西野で約100坪の土地が売りに出たことを知って。これはもう運命だと思い、すぐに見に行って購入を決めました」。
 土地探しと並行し、予算に合いそうな複数のハウスメーカーを検討。ご夫妻とお子さんの3人で暮らす家を想定して、プランの相談をしていました。「木を使った自然な雰囲気の住まいが実現できる会社に依頼しようと思っていたのですが、出てくるのは自社基準に沿った決まったプランばかりで…」。
 そんな時に見つけたのが、工務店という選択肢でした。「住宅雑誌で紹介されていた、大元工務店さんの木の温もりに満ちた家が目に留まりました。限られた予算でも相談に乗ってくれた、というお施主さんの声にも惹かれました」というご夫妻は、さっそく新築の相談に出かけます。大元社長の柔和な笑顔を見て、Tさんは「いろいろ相談できそう」とほっとしたといいます。

カバの無垢床、カラマツのベンチ、シナやナラを用いた造作でしつらえたLDKは、ご夫妻が望んだ「木の家」の象徴的空間
カバの無垢床、カラマツのベンチ、シナやナラを用いた造作でしつらえたLDKは、ご夫妻が望んだ「木の家」の象徴的空間
変化する状況に寄り添う
プランの提案が、決断を後押し

 具体的なプランの検討に入る段階になって突然、Tさんのご両親との同居話が持ち上がります。「さらに、名古屋に暮らす父の姉も呼び寄せて一緒に暮らしたい。プランは、3人の同居を前提に考えてほしいといわれました」。青天の霹靂ともいえる申し出に、家づくりのサイコロは一気に振り出しに戻りました。ご両親の希望は「居室は10畳以上。あとは任せる」というシンプルなもの。叔母からは「決めるのは世帯主のあなた」といわれ、Tさんはほっとした反面、不安も募ったといいます。
 そのため大元社長は「高齢者の多い多世帯なら、なるべくバリアフリーで十分な収納を備えた平屋が良いのでは」と提案。平屋のプランを元に、ご夫妻から要望があったフリースペースを2階に配し、ゆとりの空間を設けました。Tさんは「家族構成の変化に寄り添う提案に魅力を感じましたし、かける費用が同じなら希望を尊重して柔軟に対応もらえる方が、満足のいく家づくりになると思ったんです」と大元工務店に決めた理由を話します。
 ご夫妻の希望は「木を生かした、広いリビングのある住まい」。憧れの造作キッチンや浴室などもプランに盛り込みました。「少しでもお施主さんのこだわりを家づくりに反映できれば、私も嬉しい」と大元社長は笑顔で語ります。

玄関土間には、夫婦の趣味である自転車を飾りながら収納。休日に親子でのんびり自転車を走らせるのが、これからの楽しみ
玄関土間には、夫婦の趣味である自転車を飾りながら収納。休日に親子でのんびり自転車を走らせるのが、これからの楽しみ
住みながら少しずつ
家族と一緒に成長する家

 2017年11月に待望のマイホームが完成。陽射しが差し込むLDKは希望どおり、18.5帖の広々とした空間に仕上がりました。カバ材の床、カラマツ材の天井、シナ合板の建具や面材など、美しく温かみのある木目に包まれて、空気が柔らかに感じられます。「住み始めてから大元さんの細やかな配慮をあちこちに見つけ、お願いして良かったと改めて実感しました。いずれリビングのテレビを壁付けにしたいとの希望には、DIYしやすいように勾配天井を一部平らにして、壁を建てても違和感がないよう施工してくれました。そういった気づかいもありがたいです。きっと、両親や叔母も喜んでくれるでしょう」。
 2階に設けたフリースペースは、今のところ未造作で内装も下地材のまま、予備室として多目的に使っています。「将来は、子ども部屋にと考えています。子どもたちと、好きな壁紙や床材を一緒に選んで内装を仕上げるのが楽しみです」と奥さん。今後は建物脇の庭や外構も、大元社長に相談しながら整えていく予定です。「工事費は予定より少し上がりましたが、工夫やアイデアで極力抑えてもらえたのでとても満足しています。いくつもの偶然の中で大元さんに出会えました。こういう巡りあわせも、家づくりには大事ですね」そう話すTさんの言葉には、確かな実感がこもっていました。

育児で忙しい毎日でも、
ゆったりとした気持ちにさせてくれる住まい

 士別市に住む夫の両親や名古屋在住の叔母との同居を持ちかけられたときは、正直なところ驚きました。一緒に暮らしている風景が、ぱっとは思い浮かばなかったので。でも、考えてみれば私の実家も大家族でした。子どもの面倒をみてくれる祖父母がいて、いろんなことを教わりました。その意味で、両親や叔母が同居するのは、家族みんなにとって良い環境だと思っています。
 新居の造作キッチンは、大人数でも使いやすいように通路にゆとりを持たせ、高さも調整していただきました。フレキシブルに使える2階のフリールームや、子どものお昼寝にも便利なダイニングの大きな造作ベンチ、片付けに十分な容量の収納スペースと、大元さんは私たちが暮らしやすい空間や工夫をたくさん実現してくれました。この家での生活は間違いなく、楽しいものになるでしょう。 (奥さん談)

Replan北海道119号掲載
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