茶色い天井や梁に付着している、白い汚れが見えるだろうか?

これは、この建物のオーナーが、大工工事中にご自分で壁の塗装した時に付けてしまった汚れである。

ご自分で塗装するような方なので、消したり上から茶色を塗って目立たなくすることは他愛もないはずなのに、引っ越しをしてもうすぐ2ヶ月、一向に消そうとしない。

聞けば、自分たちで付けたその「白い塗料」に、愛着が湧いていると言う。

「これを見ると、塗装中に大工さんにお願いしたことや、塗装屋さんにコツを教えて貰ったことなど、工事中の様々な記憶がよみがえります。」と楽しそうに教えてくれた。

こうなると、白いそれはもはや汚れではなく、この建物の装飾になっている。

大元